名前:北村健二
出身校・学部学科:筑波大学・国際総合学部国際開発学専攻
在学校・学部学科:コロンビア大学ティーチャーズカレッジ・国際教育開発学修士
メンター制度参加の可否:可能
インターン期間:
1回目:2016年3月〜4月
2回目:2019年5月〜8月
インターンテーマ:
ネパールにおける就学前教育の質と子どもの発達
応募動機:
1度目のインターンの際は、とにかく現地に行って教育開発、特に就学前教育の現場を見て、知見を広げたいというのが動機でした。サルタックの先輩インターンの報告会に参加し、理事の畠山さんと話す中で、サルタックは、学部生のインターンを受け入れ、この分野の実務家や研究者からの指導も手厚い唯一のNGOだと確信し、応募しました。2度目のインターンは、サルタックという基盤を活かし、ネパールの就学前教育に関する研究を行いたいと思い応募しました。
活動内容:
1度目のインターンの際は研究や教育実践に関する知識がほぼ皆無で、現地では右も左もわからない状況でした。その中でも、日本・ネパールの理事陣からアドバイスをもらい、また現地スタッフに助けてもらいながら、就学前教育関連の政策文書やレポートなどの文献調査と、そこから見えてきた就学前教育の質の課題を調べるために教室観察を行いレポートを書きました。2度目のインターンでは、半年間畠山さんと現地スタッフと準備した調査を行うために現地に行き、現地スタッフと共に現地で就学前教育を学ぶ院生約30名をトレーニングし、データ収集を行いました。具体的には、1)子どもの発達の様子2)子どもの家庭状況3)就学前教育プログラムの質に関するデータを得るために、それぞれに対応する3つの調査用紙を用い、200校近くのプログラムから約700人の子どものデータを収集しました。
成果(現在の取り組みに生きていること):
1度目のインターンでは2つの成果がありました。1つ目は、低中所得国の就学前教育の開発に情熱があり、今後自らの研究や仕事として携わっていきたいという確信を得ました。2つ目は、自分の関心や情熱とは裏腹に、自分にできることは全くなく、力不足を感じるとともに、具体的に学びたいことや身に着けたい研究スキルが見えてきました。この学びは学部の授業、卒業論文、そして大学院選びや現在の研究にまで生きています。2度目のインターンでは、具体的に研究テーマを持ちデータを収集し、自らの研究を行えるという成果はもちろん、今後の自分の進路を決めるような経験をできたことが一番の成果です。現地のスタッフや畠山さんとともに活動し、日々様々なアドバイスをもらっている中で、教育政策に関する自分の視野の狭さや、政策に影響を及ぼすような有用性のある研究の難しさを痛感しました。このインターンの前までは博士課程に進学し、研究をもっと洗練させようと考えていましたが、その前にもっと学ばなければいけないものがあると気づき、進学する前に数年間現地で働くことを決意しました。
スペシャルエピソード:
サルタックの一番の魅力は、学部生でも現地で教育開発の現場に触れることができ、さらにこの分野の専門家である理事陣から研究からキャリアに至るまで大変有益なアドバイスをもらえることです。学部2年生の時にサルタックでインターンをしていなければ、私の卒業論文は存在しないし、今大学院にいることもなかったかもしれません。教育開発という分野に対して持っている“関心”が“情熱”と呼べるほど強いものなのか、その情熱を具体的にどのように仕事としていくのか、という学校では決して学ぶことができないことをサルタックで得られました。
今後の展望:
ネパールの就学前教育に関する政策的取り組みは研究課題にする上で非常に興味深いことが多く、世界的に有意義な知見を得るための研究ができると確信しています。修士論文での研究にとどまらず、今後もネパールでの研究を続けていくつもりです。しかし、研究をもっと有意義なものにするためにも、2020年に修士課程を修了した後は、現地に戻り就学前教育政策に携わる実務的な仕事をするために準備をしています。
後輩インターンへのアドバイス:
教育開発の分野に関心を持っている人の中には、この分野に強い関心があるのに、どのようにアプローチしていけば良いのか分からないという人も多いと思います。学部生にはサルタックを、今後の自らの学びや研究のテーマを方向付けるための機会としてぜひサルタックのインターンを利用して欲しいです。また、すでにやりたいことがわかっていて、研究や実践活動を行いたいという人たちにとってもサルタックは貴重なプラットフォームになります。自分が得られた経験をもっと多くの若者がもっと有意義に得られるように、インターン卒業生として、私自身も団体に携わり続け、これからのインターン生のサポートをしたいと思います。
連絡先: kkitamura0828@gmail.com
最終更新日:2020年1月