背景
SEEPクラスに通う母親の子どもを主な対象とすることで、母親達の出席率向上と遅刻の防止も目的としています。
現在、多くの途上国では、子どもたちの保護者が十分な教育を受けていないケースが多く、家庭において教育の価値が認められない、あるいは認められていても子どもを支援できないことにより、家庭における子どもたちの学習が妨げられているのが実態です。そこで私たちは、各地域に学習センターを設立し、家庭で十分な学習を行えない子どもたちに対して日々の学習機会を提供していきます。また、せっかく学校で習得した内容を農繁期の長期休暇の間に忘れてしまっている子どもたちもいます。長期休暇中でも子どもたちの学びが途切れることのないよう、学習センターに通う子どもたちを対象とした学習キャンプの実施も将来的に予定しています。
目的
- 子ども達が学校の外でも学べる時間と環境を確保します
- 子ども達が健康でいられるようにします
- 子ども達が宿題をちゃんとこなせるようにします
- 子ども達の学習能力を伸ばします
- 子ども達に読書習慣を根付かせます
- SEEPクラスに母親達が出席できるようにします
活動内容
土曜日以外の毎日17時から19時まで学習センターを実施しています。
ファシリテーターは、まず子どもの衛生・健康状況をチェックします。次に子ども達の学校の宿題の指導を行います。後半は、教育目的を持ったゲームを行い子ども達の語彙力・記憶力・創造性などを養います。そして、最後に絵本の読み聞かせを実施し、子ども達の中に読書の習慣を養います。
サルタックの学習センターの特徴
- 子ども中心主義の学習
子どもたちが自ら考え、学び、行動できるようになるためには、伝統的な教師中心の授業ではなく、学習者である子どもの主体性を重視した教育・学習が重要です。そのため、子どもの成長段階や特性、学習ニーズに合わせて、子どもたちが自ら参加することのできる創造的な授業を展開します。
- 対象年齢
教育の効果に関する様々な研究において、より早い発達段階で子どもたちに教育支援を行うことが、学習の基礎固めをする上で有効であるだけでなく、経済的にも社会的にも重要であることが指摘されています。これを踏まえ、皆様からの支援をより有効に活用するため、学習センターでは低学年の子どもを重点的に支援します。
- 学習教材
良い学習教材は学習の必需品ですが、貧困層の子どもたちにとっては高価な物で、買い与えてもらえない子どもたちもいます。そもそも多くの途上国では良い学習教材が殆ど無いのが現状です。そこで、学習センターでは、最新の教育理論を取り入れてサルタック自ら開発する学習教材を、無償で貧困層の子どもたちに提供し、その学習活動において活用します。
現状と課題
母親がSEEPクラスへ、兄・姉がSLCに参加している、5歳未満の子どもも学習センターに来ています。まだ小学校には通っていないので、宿題チェックの時間に手持ち無沙汰になり兄姉の学習を邪魔してしまうケースが見られます。就学前教育の重要性を鑑みても就学前の児童を対象としたクラスを併設したいのですが、ファシリテーターを雇う資金がなく、何も手を打てないのが現状です。
さらに、学習センターに通う子ども達は貧困層の子どもなので栄養状況がよくありません。子どもが栄養不良を経験すると脳の発達に深刻な影響が出て、学習を阻害する要因となります。また、空腹な状況では学習に集中することもままなりません。サルタックではこの状況に対処すべく栄養補助を実施したいと考えていますが、そもそもこれを実施する費用の捻出が難しいうえに、これを実施するとより多くの子どもが学習センターに殺到し、現在のサルタックの資金・キャパシティでは対処できなくなってしまいます。